ボードゲームのメモ帳

自分自身の理解を深めるメモのようなもの

KNIT WIT / ニット・ウィット

Matt Leacock 作 2016年 8歳以上 15分

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[概要]
KNIT = 編む、密着結合する
WIT = 理知、知力、機知、機転
パンデミックシリーズを作ったデザイナー「Matt Leacock」の作品

 

[大まかなゲームの流れ] 
糸巻きを立て、囲むように糸の輪を置き、そこにランダムに指示される言葉を組み合わせて、全員が納得し、又他のプレイヤーと同じにならない言葉を考え、得点を競う。

 

[ルールと感想]
ゲームは「編む」「回答」「得点」の3つのステップに分かれています。

 

①「編む(KNIT)」
糸巻きを囲むように糸の輪を置き、言葉の書かれたタグを洗濯バサミに留めます。その後、自分の糸巻きを糸の中の輪に配置します。

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※この場合1の回答は「冷たい」「中身のない」もの。2の回答は「中身のない」もの。

 

 

②「回答(WIT)」
糸巻きを囲んである糸のワードタグ全てに合致する言葉を考え記入します。ただし他のプレイヤーと同じ回答を書いてしまうと0点です。言葉の糸で多く囲っている糸巻きほど得点が高くなります。

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※全部置き終わってから一斉に回答を記入し始めます。回答を早く終えたプレイヤーからボーナス点もあります。

 

③「得点」
より早く回答を記入し、また総合的に全員が納得する言葉を多く書けたプレイヤーが勝利します。

 

 

総合的な作品として「素晴らしい」という感想です。外箱の作り方や、コンポーネントの収め方。裁縫箱のような箱に差し込みのカバーをつけて、蓋には丁寧に磁石が入っています。内箱にも美しくコンポーネントが収まり、色が映えるように黒でしっかり作られています。

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タイトルは、言葉遊びなだけでなく、ゲーム内容に対して的確、矛盾も感じさせない造語であり、コンポーネントからは想像できないほど、単純で、誰でも楽しめるというルール。そして周りで見ていても、写真で見ても興味を引くビジュアル。

ニットの言葉の部分で生み出されるコンポーネントが、糸巻きであったり、そこに巻いていく糸の色の選び方や、解答用紙のデザイン。ワードを洗濯バサミで挟ませるセンス。

 

ワードの選び方が大人だけなら大人の発想で楽しめ、子供を交えても考えられるワードタグ。そして、回答の自由度をプレイヤーに委ねるルール作りの楽しさ。

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ゲームを楽しかったか、楽しくなかったかでいえば意見は別れると思います。一緒に遊んだ中に、ウィットに富んだプレイヤーが一人もいなければ、平坦で盛り上がりに欠けるでしょう。

個人的なお勧めは、回答に縛りをつける。例えば動物縛り、ボードゲーム、アダルト縛りなど。そうでなければ、同じ価値観、趣味の合う友達と遊ぶと楽しめるんじゃないかなと思いました。

 

ここまで細部にこだわり、かつ値段的に最近のボードゲームの中では安めに抑えているのは本当に素晴らしいと思います。特にディティールにこだわる日本人には納得いく作り込みなのではないでしょうか。ゲーム性だけで売っている、適当な内箱のボードゲームもこれに見習えば、箱を開けた時の楽しみももっと増えるのになーと思いました。